ぜんそく医療費無料継続を
2014年3月15日
患者都庁前座り込み要請
東京全域のぜんそく患者の医療費本人負担を全額助成する「東京都大気汚染医療費助成制度」は、ぜん息患者を中心とした呼吸器疾患を患う633人の原告が11年に及ぶ裁判の末に、和解により勝ち取った制度です。毎月数百人単位で増え、今では78000人の患者を救済しています。和解条項には、「なお、被告東京都は、本制度5年後を経過した時点で検証の上、本制度の見直しを実施する」としている「なお書」が付いており、ここが今回の争いの基となっているのです。
和解では制度について、都と原告が「連絡会」を持ち話し合うとしています。患者はすべての大気汚染患者を救う制度改善をめざし、東京都も再三制度の効果の高さを認識する発言をしている中、改悪など考えられないことでした。
ところが東京都は、「見直しは白紙から」と廃止・改悪もありうるとの態度を取り、昨年12月、「大気汚染は改善した」「制度は過去の汚染被害に対するもの」。「国や自動車メーカーから資金協力が得られない」から、「新規認定は2015年3月で打ち切る。それ以降は3年間の全額助成の経過措置を設け、東京都は3分の1の助成とする」と一方的に発表しました。
その後、「制度創設から5年後の見直しは、和解条項に入っている。見直しは当然」「都はこれまでに最大限の努力をしてきた」とまで述べています。
患者会は、東京都が改悪の姿勢を打ち出したなか、裁判以来の都庁前座り込みを再開しました。さらに各地域医師会への要請行動、認定患者の声を知事に届ける「手紙・はがき」運動とこれまで取り組んだことのない運動を展開しました。
2500名を超す患者の声、41医師会という8割の地域医師会の要望書、マスコミも大きく取り上げ、多くの支援の力で都の姿勢に変化を作り出しました。
しかし、東京都は昨年12月の時点から一歩も出ようとしていません。患者会は、これまでの運動に加えメーカー要請などを強めています。引き続くご支援をお願いいたします。