都政転換 私の願い(28)今も残る環境保全条例 ―― 道路づくりが緑や空間つぶす
2014年3月15日
公害・地球環境問題懇談会代表幹事 武蔵小山の環境を考える会・会長
小池 信太郎

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 「日本の破産への道は公共事業によって舗装されている」。これは、97年3月1日付けニューヨークタイムズの記事で、日本の公共事業のひどさを指摘しています。
 「アメリカの対日赤字解消のため」との圧力のもと、630兆円もの公共投資を約束させられ、これをもとに、公共事業を拡大し続けてきたのでした。「巨大道路をどんどんつくり、自動車をどんどん走らせる。これが経済繁栄の原動力だ」‐などと。かつてのこうした「亡霊」が、いままた頭をもたげてきています。
 東京都は敗戦の翌年1946年、戦災復興計画として、都区内全域に208本に及ぶ道路建設計画を策定しました。今から68年も前の計画ですから、ほとんどの都民は、そんな計画があること自体も知らず、また、これまで建設が浮上すると反対が強く、事実上その多くは凍結されてきたものでした。
 東京都は、208本中28路線を“延焼防止帯”として、2020年のオリンピックまでにつくると説明。これに対し私たちは、「防災対策としての道路建設は問題だ」「公園・緑地づくりなど多面的に考えるべきだ」と、この計画の撤回・見直しを要求し運動を進めています。
 筆者の居住地近くの計画路線「放射2号線」は、星薬科大学の構内の正門前のいちょう並木を切り裂き、薬用植物園を貫通してつくられるというもので、道路づくりが延焼遮断帯どころか逆に、貴重な緑や空間をつぶしてしまうというものです。
 1967年革新都政を誕生させ、いち早く公害防止条例がつくられました。いまその成果と教訓を引き出し、運動に生かすことが必要と考えます。この条例は、冒頭、三つの原則を定めています。
 「第一原則 すべての都民は、公害に侵されない権利を有する。第二原則 すべての都民は、豊かな自然環境を享受する権利を有する。第三原則 東京都民の自治組織である東京都は、都民の健康で安全かつ快適な生活を営む権利を保障する最大限の義務を負うのであって、この義務を果たすため、あらゆる手段をつくして公害の防止と絶滅をはからなければならない」―― と。この内容は、環境保全条例として今も残っています。


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