都政転換 私の願い(27)都知事選で望んだこと ―― 将来の不安なく暮らせる東京を
2014年2月15日
日本機関紙印刷所労働組合 女性部書記長
大久保なつみ

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 私が社会人になったのは2009年の4月です。その前の年から年明けにかけて派遣村が日比谷公園に出現し、テレビから流れる嘘のような光景を実家でこたつに入りながら見ていました。「格差」というものを実感した瞬間でした。
 そういう訳もあり、09年末の公設派遣村には興味半分、ボランティア精神半分で参加しました。職安通りのハローワーク前で求職者の方にチラシを渡しました。そのとき20代の男性が「これが僕の全財産です」と小さなスーツケースを指さされ、何を言っていいのかわかりませんでした。
 私が働いている(株)きかんしは、ユニオンショップの労働組合がある印刷会社です。最初はシュプレヒコールやガンバロー三唱にものすごく抵抗がありました。
 しかし、公設派遣村での経験から労働組合や運動に対する考えが変わっていきました。文句を言いながらも何も出来ない私に比べ、日常的に活動をしている人はものすごく強いのだと気付いたからです。
 都知事選を振り返って私が都知事選で望んだことは、将来の不安なく暮らしたいということです。生まれた時から社会が高揚したこともなく、判断基準は勝ち負けのみ。一度転落すると元に戻るのはなかなか難しいのが私の目に映る日本社会です。10年後、20年後の自分の姿が想像できない、という話をよく友人とします。時々ふと、自分はいつでも置き換え可能な人材なのではないかと不安に駆られることがあります。
 原発や先日の大雪などで一度被災してしまうと棄民状態になってしまう、そんな状況をまざまざと見せつけられて、絶望的な気持ちになることもあります。若者の右傾化が懸念されていますが、その気持ちもわかる気がしてしまうのです。でも私がそうならないのは、どこかに矛盾を抱えるのではなく、誰もが大切にされる社会を目指している人が周囲に多くいるからだし、そちらに共感するからだと思います。自分の問題であるからこそきちんと考え主張していきたいです。
 宇都宮けんじさんは、自身も語るように「運動の中から出てきた候補者」です。選挙は終わりましたが、東京都の問題は山積みです。これからも日常的な宣伝や活動で、多くの人に寄り添ってこそ都政転換の芽があるのだと思います。


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