2013年9月9日
革新都政をつくる会事務局長 中山 伸
ブエノスアイレスで開催されていた国際オリンピック委員会(IOC)総会は、9月7日(日本時間8日未明)に2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市を東京に決定しました。
多くの都民は、「スポーツを通じて、友情、連帯、フェアプレーの精神を培い、相互に理解しあうことにより、世界の人々が手をつなぎ、世界平和をめざす」という本来のオリンピック精神に立脚することを願っています。
IOC総会のプレゼンテーションで安倍首相は、安全を強調し、福島第一原発の汚染水漏れは「コントロールされている」「港湾内の0.3平方キロメートル範囲内で完全にブロックされている」「健康問題は現在も将来も全く問題ない」など打開策が見つかっていない福島原発事故に対して、事実をいつわり、全く無責任な発言をして「東京は安全だ」とIOC委員に支持を訴えました。
猪瀬知事は、「東京招致を何としても実現したい」「東京と日本を大きく飛躍させる起爆剤にしたい」(8月8日都議会臨時会)と都民の福祉、くらしを守る自治体の長としての責務をそっちのけで、都民不在の招致レースに熱をあげてきました。
東京招致委員会は、なぜ今東京招致なのか、どのように開催するのか、その意義とビジョンを都民にきちんと示さず、福島第一原発や大地震の切迫、酷暑の中での開催、オリンピックにむけた大規模開発など開催地決定に重大な影響をもつ問題を伏せたまま、招致活動をすすめました。
これらが明らかになり、問題となれば、オリンピック開催都市としての資格が根本から問われることになります。
オリンピックを利用した大型開発などに税金を湯水のように使うことは、絶対に許されません。巨額の費用をどうねん出するのか。石原都政以来、都が積み立てたオリンピック開催準備基金は、都民の福祉を削って生み出したものです。
いま最も急がなければならないのは、深刻な東電福島第一原発の汚染水漏れ、先の見えない大震災の復興、そして貧困と格差の拡大、社会保障の相次ぐ削減、緊急に求められる防災対策、そして、だれもが気軽にスポーツを楽しみ、健康な生活をおくれる環境の整備であり、何より都民のいのち、くらしの安心を実現することです。
革新都政をつくる会は、都民の切実な要求を実現めざすとともに、改めて市民と選手が主人公の2020年オリンピック・パラリンピックを強く求めるものです。