首都直下地震 あらたな東京都地域防災計画を考える(7)
2013年7月15日

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神戸市広報課発行「震災10年~神戸の記録~」より
 近代的大都市としてはじめて破壊的な地震の直撃をうけた阪神淡路大震災。木造住宅密集地域とともに、都市居住の形態として比重を高めているマンションの被災がクローズアップされました。
 兵庫県下でみると、軽微なものもふくめ被災マンションは2729棟(民間調査・以下同)に及び、全マンションの5割がなんらかの被害を受けました。
 このうち、構造部分に致命的な損傷をうけた大破が83棟、かなり大規模な補修が必要となる中破が108棟、建て替えの可能性は低いが相応の補修が必要となる小破が353棟にのぼっています。
 復興の過程で、大破のうち八割、中破のうち7割が建て替えられ、小破のマンションでも14棟が建て替えにふみきりました。
 耐震基準との関係をみると、旧耐震期(~1970年)に建てられたマンション366棟のうち、大破が31棟、中破が22棟、小破が117棟。新耐震基準への移行期のマンション1811棟のうち大破が42棟、中破が49棟、小破は158棟におよびました。
 また、被害のすくなかった新耐震基準のものでも、震度7の激震地域では、10棟が大破、41棟が中破の被害をうけています。
 被害に共通しているのは、一階部分が駐車場や店舗などにあてられるピロティ式の構造であったこと、中層階以上の構造材が弱かったこと、L型の構造のマンションで接合部に必要な遊びがなかったことなどでした。

都内の2割が旧耐震

 東京都の場合どうでしょうか。
 東日本大震災後に東京都が実施した「マンション実態調査」(5月発表)によれば、都内には分譲・賃貸あわせて13万3188棟、推定301万戸のマンションが存在しており、そのうち、旧耐震基準のものが1万4694棟(18・5%)もしめ、耐震診断を実施したものは、わずか1~2割という現状です。なかでも分譲の場合、Is値(構造耐震指標)が0・6未満(震度6強の地震で崩壊、倒壊する危険性)のものが三分の二に及んでいることも明らかにされています。
 また、新耐震だから安心というわけでもありません。建築基準法は、建築物の「震度6強でも倒壊しない」という「最低の基準」を定めているに過ぎず、民間の試算では、東京が、阪神淡路大震災規模の地震におそわれた場合、新耐震基準を満たしているマンションであっても5264棟が大破、1万5322戸が中破する可能性があると指摘しているのです。
 実際に、東日本大震災では、旧耐震と新耐震の間では、大破、中破に大きな差異は発生していません。これは阪神淡路大震災がタテ揺れであったのに対して、東日本大震災ではヨコ揺れが中心であったことが原因していると考えられます。
 中越地震で明らかになった長周期地震動による超高層マンションの被災もあらたな課題となっています。

都の耐震助成は19件

 マンションの耐震化は遅々としてすすんでいません。分譲マンションの場合、多様な居住者で構成され合意形成が困難なこと、高齢化がすすんでいること、積立金が確保されていないこと、不適合住宅であることなど、があげられます。
 東京都の姿勢も問われています。都の考えは自己責任での解決を基本とするもので、耐震工事助成もハードルが高く、2008年からの4年間の実績はわずか19件に過ぎません。
 地域防災計画でも、あらたな積極的な対策は見あたりません。


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