「東京のくらし、いのちを守る都政学習会2013」第1弾 “すべての人の暮らしを守る社会的包摂”テーマに
2013年5月15日
 くらし・いのちを守る東京へ、憲法を都政に!
 都議選、参院選を目前に激しい政治情勢の中、都民・国民のいのちとくらし、福祉と社会保障問題の打開は待ったなしです。都政転換をめざす革新都政をつくる会は、政策活動の一環として、「東京のくらし、いのちを守る都政学習2013」を開始しました。
 その第1弾として、阿部彩氏(国立社会保障・人口問題研究所、社会保障応用研究部長)を講師に招き、講演・学習会を4月23日(火)午後6時半より、豊島区民センターで開催しました。

すべての人が承認される社会へ 格差社会抗う努力をあらゆるレベルで!

 革新都政をつくる会は、深刻な貧困と格差の拡大、雇用破壊、仕事の激減、孤立死、生活保護の拡大、医療費の値上げや保育・特別養護老人ホームの待機者(児)の増大の中で、都民のいのちとくらしを打開する政策の練り上げ運動を進めています。しかし、これらの問題の要員や実態は、隠れたままになっており、しっかりとつかまれていません。
 貧困と格差の問題をどうとらえ、その打開をどう導き出すか。「貧困率」など、この問題の日本での第一人者である阿部彩氏の1時間20分の講演は、大変刺激的で、奥深く重要な提起を参加者に与え、政策づくりの貴重な土台となりました。

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阿部彩氏を講師に招き、東京のくらし、いのちを守る都政学習会2013第1弾を開催=豊島区、2013年4月23日
 講演・学習会は、油原通江さん(新婦人都本部)に司会で進行しました。
 開会の挨拶は、民青都委員会委員長の岩崎明日香さが行い、青年の二人に一人が非正規であり、その人間性を否定する実態を告発し、講演への期待を表明しました。
 司会者の講師紹介を受けて、早速講演を開始した阿部彩氏は、冒頭、「貧困問題の第一人者は現場の人々であり、自分は、あえていえば『貧困率を計算する第一人者』」と述べるとともに、「日本に貧困はない』とする日本政府がやってこなかった貧困率の推定を13年前に始めた経過について語りました。講演は、具体的なデーター・文献等をもとに
  • (1) 人々の困難の現状
  • (2) 相対的貧困は問題か?絶対的貧困から相対的貧困へ、
  •    貧困から社会的排除へ
  • (3) 社会的包摂という考え方
  • (4) 格差が社会的排除を生む
  • (5) 貧困に対する政策

  • の内容で豊かな研究、政策立案の活動を踏まえて報告しました。
     最後に、阿部氏は、「わたしたちが意図しなくとも(格差)社会は『社会的排除』へと人を追い込む。ひつようなのは、その力学に抗う努力をあらゆるレベルで行うこと」とのべて、すべての人が承認される社会をもとめることを強調しました。
     参加者からの質問も「住宅についての貧困率は?」「外国からの移民の増加」「社会的包摂とは?」「貧困の『川上』対策と『川下』対策」など多岐にわたりました。質疑の最後に阿部氏は、日本全体の貧困対策として財政的には広がらない中で、戦略が必要と述べ、優先順位として「子どもの貧困対策」を強調しました。 閉会にあたって、東京地評の伊藤潤一議長が挨拶し、雇用問題にとりくみ、くらしをまもるたたかいをすすめる労働組合としても「社会的排除」など大変重要な視点をいただいた。今後の活動に生かしたいと決意を述べました。
     学習会後、「様々な角度からの分析は、勉強になりました」「阿部さんの研究者としての正直な講演がたっぷり聞けて、参加してよかったです。」「貧困問題を体系的に勉強できてよかった。『富裕層や大企業に何とかしてもらいたい』ということではなく、経済の仕組みを変えていかねばならないと思っています」「労働組合は、社会保障制度に関する運動をしなければ発展しない」などの感想も多彩に寄せられました。

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