都政転換私の願い19 子の成長に安全面でも安心して預けられる認可保育園を
2013年5月15日
都政にしっかりはたらきかける
安保 佳代子(杉並区在住・保育待機児童当事者)
昨年7月、待望の第一子が産まれました。始めての育児は想像以上に大変でしたが、夫と協力しながら子育ての幸せを感じてきました。仕事はアパレルメーカーのチーフデザイナーで、職場は私を待ってくれています。4月から保育園に預け、仕事に復帰する予定でした。しかし、入園申請の結果はまさかの不承諾。本当にショックでこれからどうしたらいいのか不安と焦りに襲われました。夫婦共働きフルタイムでまさかという甘さは正直ありました。直後から認可外保育所に電話をかけ始めるも、どこも何十人待ち、中には200人待ち…杉並区は第一次選考で2968名の入園希望者にたいし、約1800名が認可保育園待機児となりました。
私は、結局育休を2ヶ月だけ延長してもらい、その後も保育園を探し続けました。幸いにも認可外の保育園に7月から入園できることになりましたが、そこはなんとひと月11万2千円!それでも自分がホッとしていることにこの社会のおかしさを感じます。今の仕事が大好きなのに、入園が決まらなかったら仕事を辞めようかという考えが頭をよぎりました。そのことにとても悔しく思いました。
そんな杉並区の実態に、もう我慢できないと抗議の声が上がりました。保育園増やし隊@杉並というグループが立ち上がり、抗議行動を行うと聞き、このままではいられないと、参加しました。抗議行動には50人近くのママやパパが集まり、皆涙ながらに訴え、杉並区は緊急保育プランを出すなど動き始めています。
でも、保育園待機児が社会問題として広がる中、都や区が今度は「規制緩和で親たちのニーズにあった多種多様な保育園をつくればいい」「認可保育園はもう古い」といって安上がりな保育園つくりを始めています。杉並の親たちの運動は子どもの成長にとっても安全の面でも安心して預けられる認可保育園をつくってほしいという運動で、保育園ならなんでもいいという運動ではありません。
子どもを産み、育てる事は本当ならばとても幸せな事なのに、妊娠した時から保育園のことで悩まなければいけない、兄弟がほしいと思ってもためらってしまう、そんな社会ではとても子育てなんてできません。
親の責任として都政にしっかりと働きかけていきたいと思います。