首都直下地震 あらたな東京都地域防災計画を考える(4)
2013年4月15日
 昨年、策定された修正地域防災計画で、あらたに盛りこまれた木密地域不燃化10年プロジェクト(以下、10年プロジェクト)。
 石原前都知事が「2020年の東京」実行プログラムの柱として打ちだし、猪瀬新知事に引きつがれたもので、2つのプロジェクトで構成されています。
● 木密地域の不燃化を面的に整備する「不燃化推進特定整備地区(不燃化特区)」制度
● 都が指定した都市計画道路の沿道に中高層のビルを建設し、火災の延焼を防ぐ沿道遮断帯を形成する「特定整備路線」制度
 このプロジェクトは、昨年4月に発表された「首都直下地震等被害想定」で打ちだされた、「クラスター方式(注)」にもとづくもので、発生した火災は、まちを燃えつくすまで終熄しないという前提につくられたものです。このため、老朽家屋のおおい下町よりも、火災を遮断するとされる幹線道路の少ない杉並区や大田区などの環7周辺・山の手の地域の方が、被害が大きく設定されることになります。
 事業が先行しているのが「特定整備路線」の指定です。すでに20路線28区間26キロメートルの路線が指定され、品川区などでは測量にむけた住民説明会が、住民の反対を押し切って強行されるに至っています。
 この特定整備路線。指定された道路の多くは、戦後直後の戦災復興計画で打ちだされたもので、実現性に乏しく、住民の反対が強かったことなどから、今日まで、長期間にわたって事業化できずにきたものです。

反対路線を狙い撃ち

 東京都の住民の反対で事業化が阻まれていた道路を狙い撃ちするやり方に、各地で住民のたたかいがひろがっています。
 北区では、都道補助81号線計画に対して、“緑の遮断帯を破壊” “お寺の本堂とお墓を直撃”などの批判の声があがり、住民と曽根はじめ前都議、日本共産党区議団のいち早いとりくみで、区が計画の一部を削除させざるを得なくなりました。
 品川区では閑静な住宅を貫通する都道補助29号線の押しつけに対して、住民が起ちあがり、「住民の暮らしと安全・環境を守る会」結成、学習会を重ね、住民パレードを主催するなどのとりくみがひろがっています。

収容適格事業として認定されるような事業執行の工夫が必要である(不燃化特区制度)

 不燃化特区制度は、今年の一月に制度案が発表され、11区12地区の選定がおこなわれるなど、こちらも急ピッチで事業化がすすめられています。
 この特区制度では、戸建て住宅の建て替えの容認や種地の確保、都営住宅の斡旋など、これまで課題とされてきたものが、一部盛りこまれましたが、最大の問題は、住民不在・トップダウンで計画され、収用法の適用を前提にした強権的手法が強く打ち出されていることです。猪瀬新知事は、50地区の指定を表明しましたが、住民追い出し型の特区制度に、いくつかの区が疑問や逡巡を示すにいたっています。
 不燃化プロジェクトのやり方は、地域のコミュニティと路地裏の文化を破壊するだけでなく、地震発災時に力を発揮する地域の防災力の基盤をほり崩す危険のあるものです。
 いま、求められているのは、住民参加を保障し、住民合意を前提とした計画策定のシステムをつくることであり、耐震化と住みつづけられる木密対策、火災延焼を防ぐためのさまざまな手立てと対策を「公」の責任ですすめることにほかなりません。
(注・クラスター=ブドウの房)

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