都政転換 私の願い(18) 「住民の福祉の増進」―― 自治体本来の役割発揮する都政へ
2013年4月15日
井手口 行夫(東京地方労働組合評議会・事務局長)

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 13春闘は、政府・財界一体の賃金抑制と、電機産業など大企業の大リストラという「向かい風」のもとでスタートしましたが、国会内外でのたたかいも反映して、安倍内閣が財界に賃上げ要請を行い、マスコミも賃上げ報道をするようになりました。
 しかし、春闘での賃上げ回答額は、昨年を少し上回っていますが、中小企業の苦境を反映して「追い風」を実感できる状況にはなっていません。大企業の賃上げも、ほとんど非正規労働者まで及んでいません。
 賃上げの流れを本格的にするために、引続き「賃金引上げでデフレ不況の打開を」という世論を高め、最低賃金引き上げや公契約条例の制定など、賃金の底上げをすすめることが大切だと思います。同時に、政府や東京都に中小企業支援策の拡充を求めていくことが必要だと痛感しています。
 第9回目となった「自治体キャラバン」では、都内53自治体と懇談しました。最大の特徴は、公契約条例に対し前向きに考える自治体が広がってきたことです。足立区は、今年度中の条例制定と来年4月からの施行を表明しました。
 都政では、猪瀬知事は、オリンピック招致をテコに都市改造=大型開発と「官から民へ」の新自由主義的改革を推進する石原前都政の長期ビジョン「2020年の東京」を引き継ぎ、「アクションプログラム2013」を発表しました。3年間の総事業費は約2・7兆円と巨額であり、大型開発が31・3%を占める一方、都民むけの高齢者対策は3%、少子化対策は2・4%に過ぎません。猪瀬知事は「決断、突破」を掲げ、都の全事業を対象にした民営化など、大企業奉仕の施策を加速する構えです。
 2013年度予算も、金融円滑化法の打ち切りに対応するために公的融資を新設・拡充するなど評価できる点もありますが、雇用就業対策費の減少など、雇用・中小企業対策を含めて都民むけの施策が乏しいことが特徴です。
 電気料金や国保料の値上げや物価高騰が家計や中小企業を苦しめており、消費税増税も狙われています。いまこそ都が「住民の福祉の増進」という自治体本来の役割を発揮することが求められています。
 都民にあたたかい都政への転換にむけて、より多くの人と力を合わせていきたいと思います。

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