都政転換 私の願い(14)今の都政、教育行政から人権尊重のにおい感じなれない
2012年9月15日
佐田 光三郎(障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会・事務局長)

 私が入都したのが1973年、革新都政により教育や福祉に大きな変革がもたらされた時代でした。障害児教育分野の画期的とも言える全員就学が始まり、福祉の面でも障害者医療費助成制度をはじめとするさまざまな制度化が行われ教育、福祉の画期的な改革がすすめられていました。1975年だったと思うのですが、私の勤める特別支援学校に美濃部都知事がきてリフト付きのスクールバスの贈呈が行なわれたことを思い出します。次々に改善されていく教育環境、希望ある未来を信じる子どもたちや教職員の喜びあふれる笑顔があったことを思い出します。それから40年近い日々が過ぎようとしていますが、特別支援学校の現状は隔世の感があります。「この人たちに人格はあるのかね」の発言に象徴されるように、石原都政になってからの14年は障害のある人の教育、福祉の後退は目に余るものがあります。特別支援学校は、慢性的な教室不足に悩まされ、仕方なく一つの教室をカーテンで二つにして教室を確保しなければならない、こんなことが「公然」と放置される事態が続いています。障都連の要請行動での出来事、知事室に要請に行った保護者が「どうして障害児を持つ親だけが、こうしたことをお願いしなくてはならないのですか」と秘書課長に詰め寄っていました。「知事に伝えます」とはいいましたが、それから10年もなるでしょうか、いまだ状況は変わっていません。それどころかろう学校の統廃合に始まった障害児教育のリストラはとどまることなく続いています。寄宿舎の廃舎、教育の根幹とも言える教員の大幅な削減と非常勤職員の導入など、枚挙にいとまがありません。今の都政からも、教育行政からも人権尊重のにおいが全く感じられません。まさに石原都政の本質がここにあるのだと思います。障害者制度改革をめぐる昨今の動きは、国連障害者の権利条約の批准をめざし人権尊重、権利の主体としての福祉、教育めざし、制度在り方が検討され少しづつですが歩みをすすめています。尖閣問題、オリンピック招致など都民生活に直接関わりのないことに執心する時代遅れ、時代錯誤の石原知事では、人権尊重、弱い者の視点に立った都政にはなりません。一刻も早く退場を!そして誰もが大切にされる都政の実現、これが私の願いです。

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