2012関東大震災メモリアル いのちを守る
2012年9月15日

9・4革新都政をつくる会 防災政策発表会
―いのちを守る東京アピールを採択―

 3・11大震災から1年半、首都直下地震の切迫が指摘される中、革新都政をつくる会は9月4日、池袋・みらい座いけぶくろで関東大震災メモリアル“いのちを守る”9・4防災政策発表会を開催しました。400人が参加し、震災予防を第一に「大都市スーパー災害」に備える「5つの提言」を発表し、地域での取り組みの紹介、科学的知見にもとづく正確な知識と東日本大震災による復興への苦闘、阪神淡路大震災のとりくみと教訓、東京都の被害想定のゆがみと欠陥について検証しました。
 被災地ボランティアに参加した人や防災の専門家が開会前に駆けつけるなど強い関心をよび、参加者からは、「危機感をさらに強めました。仲間と共に具体的に行動に移していこうと改めて気付かされた発表会でした」などの感想が多数よせられました。
 会場で呼びかけた被災地復興支援カンパは、15万6千円が寄せられ、「石巻住いと復興を考える会」へ託しました。


震災予防を第一に、都民の命と財産守る「5つの提言」を発表

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防災政策「5つの提言」を報告する革新都政の会中山伸事務局長=12年9月4日・みらい座いけぶくろ
 会は、新千明(新婦人都本部会長)今井晃(東京民医連事務局長)の両代表世話人の進行で進められました。
 開会にあたって、伊藤潤一代表世話人・東京地評議長が東日本大震災支援募金を訴えるとともに喫緊の課題となっている首都東京の防災対策の重要性について述べ、集会の成功と今後の取り組みの重要性を訴えました。
 つづいて、地域の運動についての特別報告。新日本婦人の会東村山支部・黒田せつ子事務局長が「地域防災ウオッチングと防災マップづくり」について、展示資料をもとに報告しました。とりくみは、東村山市13町にある新日本婦人の会19班全班が防災の視点で調べた“わが町ウオッチング”です。“避難経路の橋は大丈夫?”を共通テーマに市内にある約140の橋梁調査も行いました。そして市長に「防災に関する要望と展望」を提出し、市からは全項目への回答が行われました。市内をくまなく歩いて調べた報告に会場から大きな関心が示されました。
 地域の報告を受けて、中山伸事務局長が首都大地震に備え、都民の命と財産をまもる防災政策「5つの提言」を発表しました。
 はじめに、「都民の目線に立った東京の防災政策」の策定をめざして、シンポジウムや懇談会の開催、現地調査など防災政策の検討・研究をすすめてきた経過を述べ、地震の巣である東京の想定をはるかに超える首都直下地震の被害に対して、人命軽視・予防からの撤退、自己責任論を持ち込んできた石原都政13年の防災を批判しました。そして、4月に発表された「東京都の新たな被害想定」をどうみるかについて述べ「大都市スーパー災害に備える5つの提言」を行いました。
 提言は(1)「震災予防を防災の原則に」、(2)「都民のいのちと財産を守ることを最優先にした東京防災計画を」、(3)地域の特性にあわせた住民が中心の施策ととりくみを」、(4)「発災時の震災対応を万全に、人間本位の復興を」、(5)「防災・環境を最優先に持続可能な都市づくりへ転換を」の柱で構成し、それぞれの政策の具体的内容を掲げています。原発問題についても東京から原発ゼロ、再生可能な自然エネルギーへの転換で新しい東京、日本をつくろうと述べています。そして、石原都政の大規模開発優先から環境と人にやさしい「防災の福祉都市、東京」転換しよう、そのために「提言」をもとに各地で取り組みを強めようと呼びかけました。


東日本・石巻、阪神淡路の教訓、科学的検証
―パネルデスカッション

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防災政策発表会での「パネルディスカッション」=12年9月4日・みらい座いけぶくろ
 後半のパネルディスカッションの前は、真子さんのピアノの弾き語り。大震災からの復興、放射能汚染から子どもを守りたいと歌う「それは『約策』」など心をこめた歌唱が会場を包みました。
 パネルディスカッションのパネラーは、三浦一敏(日本共産党宮城県議)、岩田伸彦(阪神淡路大震災救援復興国民会議事務局長)、中山俊雄(日本科学者会議)、末延渥史(防災首都圏懇談会)の4氏。コーデイネーターは、氏家祥夫(元都庁職委員長)。
 三浦氏は、3・11大震災から1年半。住宅の7割が受けた最大の被災地・石巻の深刻な現実を報告しました。重大な課題となっている住まいと生業の再建へのとりくみの状況について述べ、県による水産特区の押し付けを許さず浜の復活をめざして住民の願いを反映した復興へがんばると決意を述べました。
 岩田氏は、阪神淡路大震災以降17年間の生活・営業・住宅の再建への公的支援を求めて運動し、被災者生活再建支援法を制定・改正、前進させてきたとりくみについて述べ、「阪神では、今なお暮らしが大変。東日本大震災への取り組みと結んで引き続き運動をすすめる」と語りました。
 中山氏は、都が発表した首都直下地震の被害想定について具体的にその仕組みを説明しました。そのうえで「実際の地震は、被害想定どおりに起きるものではない。出された数値だけから対策を導き出すのには用心すべきだ」と述べました。
 末延氏は、過小な被害想定など都があらたに策定した被害想定のゆがみと欠陥について批判し、予防原則に立った想定と防災対策を強調しました。
 閉会にあたって、西村冨佐多代表世話人・東京商工団体連合会会長は、関東大震災メモリアルである本政策発表会の歴史的位置付けに触れ、集会宣言「いのちを守る東京アピール」を提案し、拍手で確認しました。

いのちを守る 東京アピール

 首都直下地震の切迫が指摘されている中、関東大震災から89年目を迎えました。

 「人間復興」をかかげて17年の苦闘が続く阪神淡路大震災、未曾有の被害をもたらした3・11東日本大震災、福島第1原発事故から1年半。その痛苦の経験に学び、地震による災害を未然に防ぐとりくみが喫緊の課題となっています。

 巨大の地震からいのちとくらしをどう守るか。その立脚点は、予防原則に立った都民の目線での科学的な想定と対策です。
 「地震は自然現象であるが、地震による災害の多くは人災であるといえる。従って、人間の英知と技術と努力により、地震による災害を未然に防止し、被害を最小限に食い止めることが出来るはずである。」(震災予防条例、革新都政・1971年10月制定)

 “東京のスーパー地震災害”から住民のいのちと財産を守ることは、都民のくらし、福祉を守ることとあわせて、都政の重要課題です。人命軽視・自己責任論の石原都政の防災政策を転換し、震災予防を原則とする防災対策を確立しなければなりません。
 本日、革新都政をつくる会は、震災予防を第一に「大都市スーパー災害」に備える「5つの提言」を発表しました。そして地域での取り組み、科学的知見にもとづく正確な知識と東日本大震災と阪神淡路大震災のとりくみと教訓に深く学びました。

 いま、3・11東日本大震災と福島第1原発事故により故郷をおわれた人は、35万人にも及んでいます。
 私たちは、いのちを守ることを最優先する社会をめざします。人類と共存できない原発はゼロにしなければなりません。みんなで力を合わせて、原発ゼロ、自然エネルギーへの転換でいのちを守る新しい東京と日本をつくりましょう。避難者・被災地との連帯と支援を強めましょう。

 「地震の再活性期」に入り巨大な地震の被害想定が公表される中で、“あたりまえだったくらしと家族がなくなる”大震災の脅威と教訓を真摯に学び、“原発いらない“の流れをさらに強め、「大震災は天罰」などと言い、原発推進論を声高に叫ぶ石原都政を転換して、いのちを守る新しい防災・福祉都市、東京をつくりましょう。

2012年9月4日
関東大震災メモリアル いのちを守る
革新都政をつくる会 防災政策発表会


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