都政転換 私の願い(12) 生命削る被曝労働前提の原子力発電は
2012年7月15日
―未来の子どもたちの世界に似合わない―
宮崎 みどり(練馬区西大泉在住)
赤ちゃんは両手に夢と自由を握りしめて生まれてきています。
夢と希望の中で成長し、やがて友達ができます。
たとえトラブルに出会ったとしても、思いやりと真心を持ってみんなで壁を乗り越えようとがんばります。
ひとりはみんなのため、みんなはひとりのため。そして若者になり、希望の中でまた赤ちゃんが生まれます。
そんな幸福の繰り返しは夢物語でしょうか。
悪夢もあります。
「王様は裸だ!」と子どもが叫びました。しかし、街中の人々は一瞬もためらうことなく、口々に「王様は立派な服を着ている」「あんなすばらしい服は見たことがない」と言うのです。
そして、「裸だ!」と叫んだ子どもは除け者にされてしまうのです。
世界では、既に再生可能エネルギーの発電量が原発による発電量を超えているそうです。生命を削る被曝労働が前提の原子力発電は未来の子どもたちの世界には似合いません。
この歴史的な時代の転換期に、子育ての現場にも新しい風が吹くことを願っています。
長いブランクを経て、先日から保育園で働き始めました。2人の子どもが小学校に行っている時間帯の勤めです。
話す言葉も拙く、給食を手掴みで食べようとする幼いに子どもたちと共にいて、感じることは、その未熟さではありません。その生命の力強さに大きな可能性を感じています。
福島第一原発事故以降、母親たちによる放射能の子どもたちへの影響を考えるグループが各地で発足し、瞬くままに広がりました。
1954年のビキニ環礁水爆実験から始まった母親たちの原水爆禁止運動と重なると思います。この運動は、全世界で6億の署名を集め、部分的核実験停止条約へと繋がっていったそうです。
年月を経ても母親の気持ちは変わりません。給食の安全性を確かめるため、検査を自治体に求めました。しかし、これで安心したわけではありません。放射能による汚染が消えてなくなったわけではないのです。
すすけてしまった地球を本来の美しい姿で次の世代に渡すため、子育てと同様丁寧に守っていけたらと念願しています。