都政転換 私の願い(11) 人権侵害当たり前!?石原都政下の障害児教育
2012年6月15日
― 障害者の願い実現する都政を ―
小林 良廣(障害者と家族の生活と権利を守る都民生活連絡会・会長)
人権侵害が当たり前?の石原都政下の障害児教育。
教育については、破壊的改革と言って実行に移していますが、「教育とは何か」「教育の在り方は」など根本的な問題が問われる事態が進行しています。
特に顕著に現われているのが障害児教育です。知的校を中心にカーテンで仕切られた教室が沢山あり、都が示した「解決策」の一つが学校の統廃合です。学校の統廃合による大規模化、400人の障害のある子どもを一つに集めて、ゆきとどいた教育ができるのでしょうか。
さらに、障害別の区分を取り払い特別支援学校として全ての障害をもつ子どもたち、そして障害の重い子を一つの学校に集めます。反面、地域の義務教育校では少子化の影響により統廃合がすすみ、空いた校舎はどうするのかという悩みを抱えています。
また肢体不自由校では「介護職員制度」が導入され、子どもたちの対応が「教育」と「介護」とに教育内容を分けてしまう方法が取り入られています。子どもたちはどんな育ち方をするのでしょうか。このような状態にある東京の障害児教育、石原都政の本質を最も顕著に示しています。
また、都教育委員会の計画では、都立高の防災訓練に自衛隊員との体験活動を予定しています。防災教育であるなら、災害救助を本業とする消防庁の協力を得て行うべきです。「破壊的教育を」標榜する知事の狙いが透けてみえます。
国政では、約束破りの政治が強行されています。
障害者自立支援法は、基本的人権を侵害し、憲法に違反するとして、71名の原告が、全国14地裁で違憲訴訟を起こしました。
この裁判の結果は、国からの和解の申し入れを受け「自立支援法を廃止し、新法をつくる」という国との基本合意文書を取り交わし裁判は終結しました。私たちの期待は大きく膨らみましたが、基本合意や「骨格提言」は反故にされ自立支援法の一部改正という形で障害者総合支援法となってしまいました。全国地方議会191ヶ所(5月7日現在)から総合福祉法の制定を求める意見書が提出されています。残念な事に都議会から提出されていません。
このような都政、国政の向きを変え、都民と向かい合った都政を取り戻すために私たちの手をゆるめることはできません。