◇『破壊的教育改革』のめざすもの ――特定価値観の強制的な刷り込み――
2012年6月15日
 石原都知事は「破壊的な教育改革」をめざし、昨年11月に、「教育再生・東京円卓会議」を知事自らが主宰し、会議を重ねています。この会議は、都教育委員会にではなく、知事部局に直接設置されているものです。文部科学省も「教育には中立性・安定性が求められることから、首長から独立した教育委員会が教育事務の大部分を担う」として、知事が権限を超えて教育に介入できないことを確認しています。今の都知事のやり方は、行政の教育への介入に他なりません。
 5月11日に都知事は、「東京ビッグトーク」という都知事と議論する会を開催しました。このテーマは「子どもの耐性をいかに培うか~教育再生に向けて東京から考える~」とし、4名のコメンテーターを招いてテーマについて討論するものでした。
 最初に都知事が、教育について以下のような意見を述べました。
 「教育だけは不思議で、人間の優劣を認めない。子どもは強烈な自我があるわけではないので、刷り込みの徹底を行うために体罰は必要であろう。」
 この知事の発言に基づいて、4人の参加者が意見を述べました。その際に、一人の発言者は、都知事に同調し、激しい言い方で、今までの教育の在り方を否定しました。その他の発言者は体罰を容認しない意見に終始しました。
 最後のまとめで都知事は、「日本は今までの65年間、ずっと緊張感がなかった。それで、今日のみなさんのようにてんでばらばらに言いたいことを言っていくような社会になってきた。このままでは厄介なことになる。とにかく垂直な価値観を受け継いでいく努力をしなければならない。」と、参加者の多くが自分と同じ論調でなかったことに失望の色をあらわにしました。
 都知事の教育についての考えは、今の青年たちはひ弱で耐性がない。それを厳しく鍛え直すとともに、これからの子どもたちの教育では、特定の価値観を強制的に刷り込もうというものです。都知事は、「教育再生・東京円卓会議」で自由な意見を聞くと言いつつも、自分の意に反する意見には、今後も耳を貸さず、破壊的な教育改革を推し進めようとすることでしょう。
 何としても都知事の目指す「破壊的な教育改革を阻止し、子どもたちの笑顔が輝く学校をめざしましょう。

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