2011年度都予算
2012年4月15日

都民犠牲・大規模開発推進の石原予算案に民主・自民・公明がオール賛成、
共産党は組替え提案

 3・11大震災と東電福島原発苛酷事故から1年、首都直下地震に対する防災対策が喫緊の課題となるもとで開催された都議会第1回定例会が3月29日、すべての知事提出議案を可決して閉会しました。


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築地市場移転反対パレードの先頭に立つ民主党の岡田都議(左端)=2009年、中央区
 厳しさを増す都民のくらしと福祉、雇用、地域経済を守れ!防災と放射能対策を強化していのち、安全を守れ!被災者・被災地への全面支援を!都民の切実な要求の実現が求められた2012年度都予算案の論戦は、石原都知事の傲慢な政治的意図・政治姿勢による都民犠牲・大規模開発推進予算案に追随するかどうかが厳しく問われました。共産党は、石原知事の都政運営と予算編編成には重大な問題があり、都民の願いとかけ離れているとして一般会計予算案に反対し、浪費的な大型開発やムダづかいを減額し、145事業拡充する予算組み替え提案を行いました。一方、民主、自民、公明各党は、すべての知事提案に賛成し、都民犠牲・大規模開発都政を推進する立場を示しました。
 共産党の予算組み替え提案は、予算をわずか3%動かすだけで石原知事提案の東日本大震災に対応する防災対策を50%のばし、放射能対策は8倍、環境・エネルギー対策も55倍増額、福祉保健費は645億円を増額し都政史上初めて1兆円にのせました。この提案は、民主・自民・公明党などの反対で否決されましたが、都民要求実現への展望を示しました。
 脱原発、防災対策強化、くらしの安心をねがう圧倒的な国民世論に背を向ける都議会の実態を多くの人たちに伝え、都民の願いが生きる都政へ転換させなければなりません。

深刻な防災対策の遅れ予防原則の対策へ転換を!
 震度7の首都直下地震の危険が連日報道され、東日本大震災と阪神・淡路大震災などを教訓に東京の防災対策の抜本強化が求められています。しかし、石原知事は「自分の生命、自分の財産を守るのは自分の責任」「行政はそんなもの負うんじゃない」などと言い放っています。
 石原知事は就任直後の2000年12月、予防対策を中心にすえていた「震災予防条例」を都民の自己責任を第一原則とする「震災対策条例」に改悪し、震災対策の根本を歪めました。その結果、就任2年前には約1兆円の計画事業費を2010年度には約5200億円へ半減させ、震災対策は大きく後退しています。
 重要な木造住宅密集地域の耐震化は、10年間で2万2000戸の目標に対し、06~10年度の5年間でわずか300戸しか進んでいません。耐震率は69%にとどまっています。
 都の防災対策は、都民の人命・生活は二の次、「首都機能の維持・確保」が最優先されています。石原知事の自己責任論を転換させ、予防原則に立った防災対策の実現にむけた運動ととりくみを各分野の英知と運動を総結集してすすめることが強く求められています。「会」は、そのために力を尽くします。

放射能汚染の危険放置都民の安全より五輪招致か!
 東電福島原発の事故による放射能汚染への不安が広がる中、比較的高い放射線量が測定された都有地でも対応しない都の姿勢に、都民の批判の声があがっています。石原知事は「原子力を否定することは、国が滅びること」などと言い放ち、都民の脱原発の世論に声高に挑戦する言動を繰り返しています。
 オリンピック招致委員会がIOCに提出した招致申請ファイルでは、震災のリスクは少なく、原発事故は収束に向かっていると書かれています。しかし、いま福島原発事故は収束どころか、その原因の追及も、見通しも立っていません。
 原発推進論の石原知事は、都民の疑念にこたえることができません。都民不在で2020年オリンピック招致を突き進める石原都政は、自治体の根本が間違っています。

築地市場移転予算に都民との約束破り、民主党が賛成!
 3月29日、都議会第1回定例会の最終日の本会議で、都議会民主党は築地市場移転関連費を含む中央卸売市場会計予算案に自民・公明両党とともに「建設は汚染対策を完了した上で実施すること」などとする付帯決議をつけて賛成しました。しかし、都の土壌汚染対策工事は欠陥だらけです。都民の食の安心、安全への不安・不信は、なんら解消されていません。
 民主党は、09年都議選で「築地市場移転ノー」の公約を掲げ、鳩山由起夫代表(当時)が築地市場前で「築地市場に、民主はNO、自民はYES」と叫び、大躍進しました。「都立三小児病院廃止」につづき、都民への公約を破ったことに、厳しい批判の声があがっています。今こそ食の安心、安全を守れ!「築地市場」を破壊するな!の都民世論を総結集する運動を発展させましょう。

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 根本かおる(新婦人都本部・食と環境部長)「民主党は、09年の都議会議員選挙の第一声に築地市場前で『移転反対』を公約に掲げ、都民に約束。反対集会やパレードも党首自ら参加するなど、大きな期待を持ちました。今回の都議会定例会で予算案に賛成し可決されたことは都民への裏切りであり、怒りと憤りを感じ、納得いくものではありません。移転計画の推進を許すわけにはいきません。引続き『食の安全の確保、食文化の拠点である築地市場は、現在地整備を!』と都民の多数の声と行動を力にさらなる運動をしていきます。」


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