「大都市スーパー災害」に備える「5つの提言」
2012年5月15日
●提言4
発災時の震災対応を万全に、人間本位の復興を
消防力強化、災害時医療体制など地震発災時対策の確立をすすめ、都民・帰宅困難者のために、生活必需品確保、医療対策の強化、通信手段の確保、情報の発信手段など災害時の震災対応を万全にします。
- 発生時に初期消火や人命救助に役立つ必要な用具をきめ細かく備蓄し、近所の人々の力が発揮できるよう、そのしくみを構築します。そのために、消防団の処遇改善、消防団詰め所の改善等を各自治体と協力してすすめます。
- 石原都政で後景に追いやられていた消防力強化のた めに、消防職員の大幅増員、消防車、救急車の整備、ハイパーレスキュ―隊増配置などを緊急にすすめます。
- 福祉避難所の確保をはじめ、都民及び帰宅困難者のために、飲料水、生活必需品、簡易トイレなどを少なくとも1週間は確保できるよう、都として企業や各自治体、各方面に働きかけ備蓄します。また備蓄品を女性の視点で点検します。
- 災害時の医療体制の強化を都立病院はもとより、災害拠点病院を増やし、地域病院とのネットワークで災害支援体制を確立します。都内の病院の耐震化、非常用電源確保をすすめます。
- 災害時の通信手段の確保のために通信事業者と共同して、固定電話増設やシステム開発をすすめます。
- 住民が主体となった町会・防災組織の運営、防災訓練の支援を強化します。また、民生委員や介護事業者等の協力を組織して、日常的な地域での見守りと災害時の支援システムを構築します。
- 津波や液状化、側方流動、地盤崩壊などの視点から、現行の一時避難所、避難施設の点検、見直しをおこないます。
震災の復興は「人間復興」=住民の生活と生業の再建を基本に、住民参加、住民自治、住民合意で立案、計画をすすめます。
- 復興の原則は、「人間復興」=人々の生活と生業の再建を基本に、上からの再開発やインフラ整備中心の「復興」の押し付けを行わず、住民参加、住民自治、住民合意で立案、計画されるようすすめます。
- 国と都は復旧・復興のために強力な財政支援を行います。そのためにも4000億円積み立てているオリンピック基金をくらし・福祉に活用するとともに地震対策基金として活用します。
現状の東京の防災の到達点では、首都直下地震や関東大震災型の地震が発生した場合、各地で建物、とりわけ老朽木造住宅や火災が発生することは避けられません。早急な予防の視点にたった対策をすすめるとともに、地震発生時の万全の応急体制を確立することを急がなければなりません。同時に、不幸にしてまちが破壊され、生活と生産、就労の場が破壊された場合をも想定して、事前からその対策を講じることが重要です。
復旧・復興の原則は、(1)上からの計画の押し付けではなく、また、特定のシンクタンクや事業者へ委ねるのではなく、住民参加、住民自治、住民合意で立案、計画すること。(2)国や東京都が復旧・復興のための強力な財政支援を行うこと(3)災害規模によっては、身近な自治体そのものが深刻な打撃をうけていることも予想されます。国や都が強力な支援を行うことが必要です。