「大都市スーパー災害」に備える「5つの提言」
2012年5月15日
●提言5
防災・環境を最優先に持続可能な都市づくりへ転換を
超過密で地震に脆弱な都市づくりを一層加速させる東京への過度な一極集中を転換し、持続可能な社会、防災と環境を最優先した「防災と福祉都市東京」へ転換します。
- 東京への過度な集中を転換し、異常にふくれあがった東京のダウンサイジングなど、目標を決めた都市の成長管理をすすめます。
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多国籍企業と大企業の「都市再生」を改めます。地球と環境に優しく、住みやすく、働く場所が確保され、だれもが等しく教育を受けられ、安心して医療や介護が利用できる東京に転換します。この「福祉都市東京」の力が災害時のいのちを守りくらしを再建する力となります。
東京の防災を考えるうえで、さけて通れないものの一つが都市づくりの問題です。
石原都政は国と一体になって、「都市再生」路線を推し進め、多国籍企業のための「世界都市づくり」と東京一極集中を強力に推し進めてきました。
2000年からの11年の間に、東京23区で建設された高さ100メートルを超える超高層ビルは248棟に及び床面積は新宿区の面積に匹敵する2135万平方メートルに達しています。
こうした一極集中政策の結果、貧困と格差の拡大、地球温暖化とヒートアイランドをもたらしただけでなく、防災の面でも大量の帰宅困難者、超高層ビルの危険、ライフラインの断絶、液状化による危険など地震への脆弱性を加速度的に強めることになっています。
また「都市再生」への資源の集中的投入は、地域の防災力向上や木密地域解消、消防力強化などのとりくみをなおざりにし、東京の防災のとりくみに障害をもたらすものとなっています。開発優先から、環境と人にやさしい「防災の福祉都市東京」へ都市の成長をコントロールする都政への転換が急がれます。